赤ちゃんのあせも対策

江戸時代のあせも治療に使われていた薬や方法

日本の夏は高温多湿。

暑いだけならともかく、じめじめしていると不快な汗も多くかきます。そんな環境ですから、夏になると多くの日本人が悩まされるのが「あせも」。もはや日本の夏の風物詩とさえ言えるでしょう。

そんな日本人の悩みの種である「あせも」、その治療法は古くから様々なものが考案されていたようです。

例えば、江戸時代の女性の心得を記した「女用訓蒙図彙」と言う本の中には、あせもに効果的な薬として「はまぐりがいをやきてうどんの粉とまぜて布につつみ、ふるいかけてよし」と言うような記述があります。どういうことかと言うと、はまぐりの殻を焼いて砕いて粉末状にし、それをうどん粉と混ぜ合わせたものを布に包んで、汗疹が出た部位にふりかけると良い、と言うことです。

また、同じく江戸時代の書物に、『小児必用養育草』と言うものがあります。これはこの時代の代表的な育児書であり、そこには「牡蠣の粉、あるいは葛の粉、または天花粉をすり、塗りたるがよし。かくのごとくすれば、夏はあせもを生ぜず」と言う記載があるわけですが、こちらではあせもの治療に牡蠣粉、葛粉、天瓜粉(天花粉)、が使われていたことがわかります。

また、上記のもの以外にあせも対策として行われていたのが「桃湯」です。これはその名がしめす通り、桃の葉を煎じたものをお風呂に入れると言う治療法。桃の葉にはタンニンと言う成分が含まれており、この成分の働きがあせもや日焼けの治療に役立ちます。ちなみにあせも治療の薬湯としては桃の葉の他に、びわの葉・よもぎ・どくだみなども使われています。

ところでこの当時は、まだ「あせもの予防」という概念は確立されていなかったようです。

あせもの治療に使用された粉も、その辺りに自然に生えているものを採ってきて使用していたとか。

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